MBAの無形価値

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2018年12月19日、私はハーバードビジネススクール(HBS)でのMBA1年目上半期を終え、特段何も予定を立てずに、とりあえず1週間Airbnbで滞在場所をおさえたハワイのオアフ島に1人で旅立った。出発前に友達にその旨を伝えたところ、「鬱になったの?」と冗談半分で聞かれ、そうか、1人で旅するとそういう風に受け止められるのか、と苦笑した。(HBSはとにかくSocialな場所で、冬休みに同級生や友達同士で旅に出る人が大勢、そうでなくとも家族と過ごすなど、何かしら人と時間を過ごす人が大多数で、1人でふらりと旅に出る人は他にいないようだった。)

横浜にいる親に会いに行くこともできただろうに、これで良かったのかな。。。と荷物を詰めながら思ったが、ハワイに到着して、やっぱり来てよかった、と思った。HBSやその前も含め、ここしばらくの出来事を振り返り、来年に向けて準備する時間と場所が欲しかったからだ。

HBSでの最初の4か月は、期待を大いに上回る、本当に学びに満ちた濃い4か月だった。だが、同時に毎日が目まぐるしく、振り返る間もほとんどなく一週間が過ぎていく、ジェットコースターのような場でもあった。HBSの外の友人や前職の上司に、「どう?HBSは?」と聞かれると、「毎日充実していて本当に楽しい」と気持ちは伝えつつも、日々何を感じ学んでいるのか、上手く言語化できていないもどかしさが自分の中にあった。

そのもどかしさは、遡るとMBA受験を目指し始めた頃から感じていたことでもあった。これまで自分が会ったMBA卒の上司・先輩と働き、MBA卒業生の体験記などを読む中で、これが自分が必要としているネクストステップだと心の中で強く感じつつも、なぜそうなのか、なぜ大金をはたいてまで行く価値があるのか、なかなか他人に満足に伝えることができなかった。まだ行ってもいないのだから、ある意味当たり前とも言えるのだが、「MBAってコンサルタントかバンカーになりたい人が行くところじゃないの?」「これ以上賢くなってどうするの?」といった質問に対し、他人が腹落ちするような答えを伝えられないでいた。

私は、HBSに来る前に経営戦略コンサルティング、投資ファンド(プライベートエクイティ)と、所謂プロフェッショナルファーム界隈での仕事を経験してきており、オマケに帰国子女で米国大でビジネスを勉強してきたのに、また海外MBAを目指すことにしたという、変わり者だ(米国では割と多いのだが、日本で似た経歴の人は殆ど聞かない)。

ただ、それでも、自分の将来のキャリアを考えた時に、先々大事になるのは、エクセルのモデルを的確に作れるとか、エキスパートインタビューができるとか、そういう次元のスキルではなく、様々な異業種の人達と信頼関係を作り、事業を共に成功に導くために人を鼓動し、育て、皆が最大限の力を発揮できるようリードする、そんな、より無形のスキルが大事なのではないかと、企業再生の渦の中でもがきながら感じるようになった。そして、このまま自分が十分にその力を身に着けることができるのか、後になって「何かすれば良かった」と後悔するぐらいなら、そういったリーダーシップスキルを教えている(と謳う)海外MBAに今行った方が悔いのない将来に近づけるのではないかと思い、色んな人の力を借りてHBSに進学することになった。

HBSでの2年間の4分の1が過ぎた中、HBSは自分が求めていた以上のものであり、本当に来て良かったとつくづく感じる。そして、私がMBAの先輩方のブログを通じて彼らの生の経験について知り、受験中励まされたように、私も将来受験を考えている次世代のリーダー達に私なりの経験をシェアしたいと思う。このブログを通じてより多くの人が海外MBAについて知り、このブログが少しでも各読者が自身にとって最適な選択を考える上での一助になれば本望だ。また、より広い意味で、「リカレント教育」の重要性が問われ、学びの方法も多様化する中で、最も伝統的な「海外フルタイムMBA」も実はどんどん進化を遂げていることを、より多くの人に知ってもらえたらと思う。

それでは、2018年8月30日、HBA MBA Class of 2020入学式の朝に時計を戻そう。

9か月前

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