2018年9月6日 Field Foundations: Identity Map

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先ほどCase Discussionの話をしたばかりなのだが、実はHBSではCase Discussion形式でない必修科目が1つある。Fieldという2011年にできた比較的新しい科目で、1学期目は① Self Awareness(自己認識)、② Social Awareness(周囲への理解・認識)、③ Team Effectiveness(チーム全体の能力発揮)への理解・対応能力を、実験・復習・振り返りを通じて深めていくというインタラクティブな科目だ。私が1学期目に受けた科目の中でも最も大きなインパクトがあった授業の1つだったので、いくつかここでの学びを紹介したい。

Field Foundations Course Overview

初日は、先ずは自分自身のこれまでの人生について振り返り、その中でも重要な経験や価値観についてクラスメイト(以降、Sectionmateと呼ぶ)4~5人とお互い共有し合う、Identity Mappingというエクササイズを行った。振り返る際は、家族・仕事・学校・人種・性別・宗教・趣味・その他といった切り口で自分にとって重要だと感じる要素を棚卸しし、それらを基に、様々な要素が密接に繋がるIdentity Mapを作成する。

要素・キーワードの棚卸し

Identity Map

私はここから特に自分にとって大事な経験として、①(渡米・部活などでの)試練・失敗とそこからの成長、②日本・米国という2つの母国とその間で悩む自分、についてSectionmateに語った。

内心、全く違う経歴のこの5人組でお互いの経験を共有して何が得られるのか、やや懐疑的だったが、始めてみると自分の中の感情の変化に驚かされた。貧しく育ち常に自尊心と戦いながら育ったフランス人起業家のアドリエン、自分の中西部の田舎を大事に感じつつも保守的な女性像と相いれないで悩む製薬会社出身のメリー、農家出身で自分を育ててくれた農産業に還元する夢を持つ銀行出身のローサ、4人兄弟の中で家族に認めてもらうために四六時中プレッシャーと戦ってきたメーカー研究職のシェリル。。。皆、話を聞くと、それまでは想像もつかなかったような濃い人生を歩んできていたのだ。

自分が経験したことがなくても、他人の経験や思いにここまで感情移入することができるのは、普段ロジカルであまり感情的になれない自分にとっては驚きだった。自分だけでなく、周りのSectionmateも、こういった経験を共有することで、お互いをより深く理解し、単なるクラスメイトを超えて深い絆を築くことができた。逆の視点で見ると、他人の経験や思いを理解するだけでなく、自分の経験もオープンに共有することの大事さを体感した。

因みに、HBSでは最初から「What happens in our Section, stays in our Section(ここで語る内容はSectionの外に口外しない)」という掟を守るよう教授から教わり、自ずと生徒達も自分自身・お互いのためにそのルールを守る。私はこれもHBSが生徒同士の学びを促す上で非常に重要かつ強力な仕組みだと捉えている。人種・性的差別で苦しんできた人、仕事が激務すぎて結婚相手に愛想を尽かされた人、米国で働きたいが家族が祖国にいる人。。。社会に出て数年の若者同士、経歴上はピカピカでも皆実は内心沢山の不安を抱えている。そういった仲間同士で、お互いの悩みを赤裸々に話し合い、今もこれからも支え合える関係というのは、なかなか現実社会で簡単に作れるものではない。

(上記のルールに従い、このブログではクラスメイトの名前は偽名を使い、センシティブと思われる情報は掲載しない点、ご容赦願いたい。)

授業での学びを振り返りながら、寮への帰り道でふと思った。私は今まで一緒に働いてきたクライアントや、投資先の社員と、どれだけ深く彼ら個々人の経験や思いを理解しながら働いてきただろうか?日々ミーティングやマイルストンに追われる中で、「何故あの人は動いてくれないのだろう」などと思いながら、彼らの本心を十分に理解する努力をしだたろうか?あるいは、そういったオープンな会話を生むカルチャーや場を十分に作れただろうか?

前向きに問いに答えたくない自分がいたが、卒業後に向けて変われるよう頑張ろう、と気持ちを切り替えた。

7か月前

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